公的医療保険に自分はいくら払っているのか、特に給料天引きのサラリーマンのみなさんはあまり実感がないかもしれませんが、ぜひ一度、給与明細書で確認してみてください。収入のうちの結構な割合を健康保険料として支払っていることが分かると思います。

しかも、サラリーマンの場合、実際の健康保険料は引かれている金額の約2倍。半額は勤務先の会社が払ってくれているのです。こうした「公的医療保険」への加入は、日本人はもちろん日本国内に一定期間滞在する外国人などにも法的に義務付けられています。したがって、「民間医療保険」は「公的医療保険」の代わりに入るものではなく、

あくまで「公的医療保険」にプラスして、任意で利用するものということになります。しかも、保険に加入する以上、当然保険料の支払いが必要になります。任意で「民間医療保険」に加入するということは、毎月の家計のやりくりの中で、広い意味での医療保険に関する支出がそれだけ増えるということでもあります。支出が増える分、貯蓄など医療以外の目的に使えるお金が減ります。家計全体のバランスを考える必要があるのです。

公的医療保険は、法律により加入が義務付けられているものです。しかし、民間医療保険はあくまで当事者の契約によります。そして、契約ですから当然、契約の要件を満たさなければ保険金や給付金は受け取れません。

保険料を払っていれば、困ったときに助けてくれるというものではないのです。イザというときに、「こんなはずじゃなかった」「えっ、こんなときは出ないの?」とはなりたくないものです。ところが、民間医療保険に加入するに際して、明確な目的を持っている人はあまりいらっしゃいません。「何かあったときのために」「入らないと不安だから」「勧められたから」など、暖味な加入動機であることが多いようです。

また、型加入目的と商品内容がミスマッチというケースも散見されます。病気になること自体が怖くて、その不安をカバーするために民間医療保険に加入したり、一人暮らしであることの不安を民間医療保険に入ることで和らげようとしていることもあります。

まずは、冷静に不安の中身が何かを具体的に考えてみましょう。経済的に不安なのか、病気などになったときに頼る人がいないことが不安なのか。その上で、それらを解決するための方法を考えていきます。このように頭を整理していくと、民間医療保険では解決できない問題が多いことに気づくかもしれません。病気やケガのときに頼りになるものは何か、自分を助けてくれるものは何かをよく考えてみましょう。